
Rakuten最強衛星サービスとは
AST SpaceMobileと描く“圏外ゼロ”構想
AST SpaceMobileは世界初のフルブロードバンド衛星-to-スマホネットワークを構築中の米国企業です。
楽天は2020年に約15 %を出資し、共同で日本展開を進めています。
特徴は既存LTE周波数(700-850 MHz帯)をそのまま中継する点で、特別な衛星電話やファーム更新なしに現在のスマホ+Rakuten SIMだけで衛星通信が利用できる点にあります。
Starlink Direct-to-Cellとの違い
気になるところかと思いますが、以下のような違いがあります。
- アンテナ面積:BlueBirdは223 m²と Starlink D2D 衛星比 36 倍。
- 周波数:プラチナバンド帯を想定し、屋内浸透性と省電力性が高い。
- サービス規模:50機体制で日本上空ほぼカバー、95機で完全常時接続へ。
2025年4月23日 発表会内容
ビデオ通話 & YouTube 再生デモ
福島県のゲートウェイ局から 衛星BlueBird を経由し、東京都内の市販スマホと720p/平均遅延約1.3 秒でビデオ通話に成功。
加えて YouTube 動画のストリーミング試聴も行われ、「地上回線と遜色なし」とのこと。
日本国内で初めて低軌道衛星と市販スマートフォン同士のエンドツーエンドでの直接通信によるビデオ通話に成功した様子はYouTubeで公開されています。
ロードマップ
衛星の打ち上げが必要なので、まだ時間がかかりますが、サービス開始を推進していきます。
時期 | 進捗 |
---|---|
2025年末 | BlueBird Block 1 × 5機 打上げ完了 |
2026年Q4 | 国内商用サービス開始 |
2027年 | 50機体制で日本全域をほぼ常時カバー |
2030年前後 | 95機体制で完全常時接続・グローバル展開 |
料金・利用条件
- 料金は検討中。災害時には他社ユーザー開放も視野。
- 既存のRakuten最強プラン加入者から段階的に提供予定。
- 初期フェーズはテキスト・音声・低画質動画を優先、順次高速化。
まだまだサービス仕様については決まっていない点も多いのが実情です。
BlueBird衛星について
巨大アンテナが生む電波強度
展開時およそ縦64 m × 横35 mのメッシュアンテナが地上の電波を反射・再送信します。
屋内でも数 Mbps級の下り速度を目標としています。既存の衛星電話とはまったくの別物と言えます。
同時接続数とスループット
1ビームあたり約23 Mbpsの帯域を多数ユーザーで共有するため、人口密集地では時間帯により速度低下は免れません。
ソフトウェアビームフォーミングと時間帯制御で緩和策を検討中です。
競合サービス比較
- Starlink Direct-to-Cell(SpaceX × T-Mobile)
- 小型衛星多数で先行。屋外向けが中心で屋内浸透性は限定的。米国は2025年β提供予定。
- Lynk Global
- SMS特化で60カ国と試験契約。ブロードバンド本格提供は未定。
想定シーンと実用メリット
登山・離島・外洋での生命線
国内の山岳遭難は年間3,000件超。稜線や外洋航路でも
同一SIMで緊急通報が可能になり、救助要請のハードルを下げます。
災害時の通信バックアップ
地震や洪水で地上局が停止しても衛星へ自動ハンドオーバー。
避難所Wi-Fiのバックホール回線としても期待されています。
IoT/スマート農業/ドローン
オフグリッド環境のセンサーやドローン物流のフェールセーフ通信を
低消費電力で実現。ASTはIoT向け省電力プロファイルの標準化も推進中です。
残る課題とチェックポイント
- 速度と同時接続:常時接続実現までは1時間に数分圏外が残る。
- 端末互換:低価格4G機の場合、利用できない可能性もあり個別検証が必要
- 周波数免許:700 MHz帯衛星共用を総務省と協議中。
- 料金モデル:従量制か定額か未定。ヘビーユース向け速度制御の可能性も。
FAQ
Q. iPhoneでも使える?
LTE Band 28/18など700-800 MHz帯対応なら利用可能になる思われます。
Q. どのくらい速い?
初期は1〜10 Mbps程度を想定し、音声通話・メッセージ・SD動画が快適なレベルとなる見込みです。
Q. 海外でも同じSIMで?
ASTのグローバル衛星が順次稼働し、海外でも同一SIMで利用できるように調整予定。
まとめ│サービス開始前にできる準備
① Rakuten最強プランへ加入し、衛星提供開始時に自動アップグレードを受けられる状態に。
② 対応端末リストをチェックし、周波数Bandの互換を確認。
③ キャンペーン活用:従業員紹介リンクやポイント還元を併用して契約コストを最小化しましょう。
2026年、スマホと衛星がダイレクトにつながる“宇宙経由の通信革命”が始まります。
登山・船旅・アウトドア派の皆さんは、今のうちに準備を進めておきましょう。