
※2026年8月時点の情報です。決算数値は公表資料に基づくもので、今後の開示で表記が更新される場合があります。
結論|楽天モバイル2026年Q2決算で押さえる4つのポイント
今回の決算で確認できるのは、①契約回線数は前年同期比で178万回線増えて1,075万回線、②調整後MNO解約率は1.38%まで改善、③ARPUは2,921円へ上昇、④2026年度のネットワーク設備投資計画2,000億円は期初計画のまま維持、の4点です。営業損失は残っていますが、前年同期比では改善しています。
先に用語の前提を1つだけ整理します。楽天グループの資料で使われている「全契約回線数」は、BCP等回線を含むMNO・MVNE・MVNOの合計値です。BCPとは、法人向けにBusiness Continuity Plan(事業継続計画)用途で販売しているプランを指します。つまり1,075万回線は、個人向けのMNO契約だけの数字ではありません。
2026年Q2の主要指標を早見表で確認
| 項目 | 2026年Q2の数値 | 前年同期比など |
|---|---|---|
| 全契約回線数(2026年6月末) | 1,075万回線 | +178万回線 |
| MNO純増数 | 38.2万回線 | Q1/26は37.3万回線 |
| 調整後MNO解約率 | 1.38% | Q2/25は1.40% |
| 単純MNO解約率 | 1.49% | Q1/26は1.76% |
| MNO ARPU | 2,921円 | +60円 |
| 正味ARPU | 2,516円 | +42円 |
| 楽天モバイル売上収益 | 1,013億円 | +11.9% |
| 楽天モバイルNon-GAAP営業損失 | 323億円 | 67億円改善 |
| ネットワーク関連設備投資(当四半期) | 393億円 | — |
| 2026年度設備投資計画 | 2,000億円 | 期初計画から変更なし |
決算数値の改善と、個別地点のつながりやすさは分けて考える
決算資料で分かるのは全国合計の数字で、自分の生活圏でつながるかどうかは別の話です。回線数が増えたことと、特定の建物や地下でどれだけ快適に使えるかは、直接には結びつきません。今回の資料でネットワーク強化に関わる部分として読み取れるのは、基地局建設の前工程の進捗、山手線と東京メトロの駅構内対策、そして衛星通信の計画です。通信速度や接続成功率といった実測の品質指標は掲載されていません。



全契約回線数は1,075万回線、調整後MNO解約率は1.38%
2026年6月末の全契約回線数は1,075万回線で、前年同期から178万回線増えました。純増を続けながら、短期解約への対策も同時に進めている四半期です。
MNO純増数はQ2で38.2万回線
MNO全体の純増数は38.2万回線で、前四半期の37.3万回線から増加した一方、前年同期の39.3万回線は下回りました。なお楽天グループは、内訳となるB2Cの純増数については前年同期比・前四半期比の双方で増加したと説明しています。開通数についてはホッピング対策の強化で短期解約目的の流入を抑えながら前年水準を維持したとされ、あわせて競争環境が当四半期の後半から活性化していると記載されています。
調整後MNO解約率は1.38%まで改善
2026年Q2の調整後MNO解約率は1.38%で、前年同期の1.40%、前四半期の1.57%から下がりました。調整後解約率は、B2Cにおいて契約と同月に解約した回線数、および法人事業の売上計上方法の変更に伴いBCP等回線へ移管となった回線を除いて算出した数値です。楽天グループは、商戦期の終了に伴って改善傾向にあるとしており、今後もネットワーク品質の向上に努めて解約率のさらなる低減を目指すと記載しています。
単純解約率1.49%との違い
同じ四半期の単純MNO解約率は1.49%で、調整後の1.38%とは0.11ポイントの差があります。単純解約率は除外処理をしていない数値のため、短期での契約・解約や法人回線の移管がそのまま反映されます。他社比較の記事などで「楽天モバイルの解約率は○%」と書かれている場合、どちらの定義かを確認する必要があります。この四半期は、単純解約率も前四半期の1.76%から1.49%へ下がっています。
ARPUは2,921円、正味ARPUは2,516円に上昇
2026年Q2のMNO ARPUは2,921円で、前年同期から60円上がりました。ARPUとは1契約当たりの平均収益を指す指標です。上昇の内訳を見ると、データ利用量の増加とオプション収益の伸びの両方が寄与しています。
データARPU・オプションARPUの内訳
ARPU 2,921円の内訳は、データ1,761円、コール87円、オプション215円、その他77円、エコシステム781円です。エコシステムARPUは、MNO契約者による楽天グループ全体の売上のアップリフト効果を分子として算出した金額です。楽天グループは、セキュリティや補償などのオプションラインアップを充実させた結果としてオプションARPUが好調に推移し、その他ARPUも楽天モバイル最強感謝祭での広告売上の好調により成長したと説明しています。
ARPUからグループ内の売上原価や送客効果を控除した正味ARPUは2,516円で、前年同期の2,474円から42円増えました。数字が近いため混同しやすいのですが、2,921円と2,516円は別の指標です。
20GB超を使う人の構成比は前年比3.6ポイント増
データ使用量の中央値は、2025年6月と2026年6月の比較で2.5GB増えました。利用量帯別のユーザー構成比では、20GB超過後の利用者の比率が前年比で3.6ポイント拡大し、3GBまでの層は2.5ポイント、20GBまでの層は1.1ポイント縮小しています。楽天グループは、20GB超過後の利用者比率の上昇がデータ使用量の中央値を押し上げ、ARPU向上に寄与したと説明しています。
楽天グループは、2023年6月の最強プランのローンチ以後、データ使用量の中央値とB2CデータARPUに高い相関(R²=0.896)を確認したと記載しており、資料上の回帰直線では中央値が1GB上がるごとにARPUが約31円向上すると示されています。これは相関分析の結果で、因果関係として断定されたものではありません。
売上収益は1,013億円、Non-GAAP営業損失は323億円
楽天モバイルの2026年Q2の売上収益は1,013億円で前年同期比11.9%増、Non-GAAP営業損失は323億円で前年同期から67億円改善しました。損失は残っている一方、前年同期比では縮小しているという状態です。
楽天モバイル単体とモバイルセグメントの数字を分ける
決算資料には2種類の数字が並びます。楽天シンフォニーなどを含むモバイルセグメント全体では、売上収益1,214億円(前年同期比8.3%増)、Non-GAAP営業損失331億円(41億円改善)です。楽天モバイル単体では売上収益1,013億円、Non-GAAP営業損失323億円になります。ニュース記事で数字が食い違って見える場合は、この区分の違いが原因になっていることがあります。
EBITDAとPMCFの見方
楽天モバイルの固定資産税を除くEBITDAは59億円で、資料では前年同期比4億円増とされています。顧客獲得関連費用などを加算して算出するPMCF(プレマーケティングキャッシュフロー)は271億円で、資料では前年同期比60億円増とされています。一方、モバイルセグメント全体のEBITDAは68億円で前年同期比28.4%減となっており、楽天グループはこの減少を楽天シンフォニーの為替差益の剝落等によるものと説明しています。楽天モバイルの継続的な成長と、セグメント全体の一時的なマイナスは別の動きです。
前四半期比の数字だけで悪化と判断できない理由
売上収益は前四半期の1,080億円から1,013億円へ減少し、Non-GAAP営業損失は固定資産税を除くベースで308億円から323億円へ15億円拡大しました(Q1/26は固定資産税56億円が別掲されています)。楽天グループは、売上収益の前四半期比減少をデバイス売上とエネルギー事業それぞれの季節要因によるものとし、赤字拡大についてはこれに加えてエネルギー事業における中東情勢等の原価高騰も影響したと記載しています。四半期をまたぐ比較では、こうした季節要因も踏まえて前年同期比とあわせて確認する必要があります。
2,000億円の設備投資計画を維持し、山手線25駅と東京メトロ10駅で対策が進行
2026年度のネットワーク関連設備投資計画は2,000億円で、期初計画から変更はありません。当第2四半期の計上額は393億円で、下半期の基地局建設加速に向けた前工程が進んでいる段階です。
2026年内の電波発射目標に対して前工程は約9割完了
楽天グループは、2026年内の電波発射目標数に対して前工程の約9割が完了したと記載しています。前工程とは設置場所の確保から基地局工事設計までの工程を指し、用地交渉等の内製化や「建柱」における分業・進行管理の内製化、進捗管理の細分化(エリア別から工事会社別へ)といった工程改革が進められています。期初計画分の全基地局建設について工事会社のリソースは確保済みで、下半期は建設・電波発射などの後工程を加速させる計画です。エリア改善の全体像は、電波改善の取り組みをまとめた記事で整理しています。
JR山手線は30駅中25駅で5G構築完了、東京メトロは10駅にMIMO導入
2026年6月時点で、JR山手線の全30駅のうち25駅で5Gネットワークの構築が完了しました。残る5駅も2026年内に構築予定です。東京メトロでは5MHzから20MHzへの帯域拡張が完了した後、MIMOを順次展開しており、6月までに10駅へ導入されています。今後もJMCIA対策対象駅で順次導入予定です。MIMOの導入により理論上のスループットは最大2倍に引き上げられますが、これは理論値で、実測速度が2倍になることを示すものではありません。地下鉄の路線・駅単位の状況は、東京の地下鉄ネットワーク強化計画の記事にまとめています。公式の計画は楽天モバイル公式の地下鉄ネットワーク強化ページで確認できます。
衛星通信は2026年Q4開始を目指す商用サービスとJ-LEOの2本立て
衛星通信については、性格の違う2つの計画が同時に記載されています。1つは、楽天モバイルがAST SpaceMobile社の衛星を利用して提供する商用サービスで、2026年第4四半期からの提供開始を目指すとされています。これは会社が公表した目標で、開始日が確定したものではありません。
もう1つは、総務省による「自律性確保に向けた低軌道衛星インフラ整備事業(J-LEO)」です。資料では、この事業の間接補助事業者として採択されたことが公表されています。J-LEOは、有事の際にも外部環境に左右されず日本国内の通信インフラを優先的かつ安定的に維持できるレジリエンスの実現を目的とする事業で、2026年Q4からの商用サービスとは別に通信インフラを構築する予定とされています。詳細は決定次第の開示予定と記載されているため、現時点で判明しているのは採択と目的までです。
楽天モバイルの契約を検討する方が2026年Q2決算から確認できること
今回の決算から契約検討の材料になるのは、「回線数が増えたからつながる」ではなく、ネットワーク強化への投資が具体的な工程まで進んでいるという事実です。基地局の前工程が約9割完了し、工事会社のリソースも確保済みで、下半期に建設と電波発射が集中する計画になっています。逆に言えば、体感が変わるかどうかは下半期以降の進捗を見る話になります。
生活圏の通信状況はサービスエリアマップで個別に確認する
決算資料の数字では、自宅や職場でつながるかどうかは判断できません。契約前に見るべきなのは楽天モバイル公式のサービスエリアマップで、生活圏の地図を拡大して確認する方法です。通信状況は端末・場所・時間帯・混雑によって変わります。



申し込む前に紹介制度の有無も確認しておく
エリアの確認と並行して、申し込み方法の確認もしておくと無駄がありません。楽天モバイルには従業員紹介の制度があり、条件を満たすとポイント特典の対象になります。条件や手順は従業員紹介の案内ページで整理しています。決算の数字を確認したうえで申し込みに進む方は、こちらの条件も先に見ておくと申込画面で迷いません。
よくある質問
- 楽天モバイルの契約回線数は現在何回線ですか?
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2026年6月末時点で1,075万回線です。ただしこれはBCP等回線を含むMNO・MVNE・MVNOの合計値で、個人向けのMNO契約だけの数字ではありません。前年同期からは178万回線増えています。
- 楽天モバイルの解約率は何%ですか?
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2026年Q2の調整後MNO解約率は1.38%、単純MNO解約率は1.49%です。調整後は契約と同月の解約やBCP等回線への移管分を除いた数値のため、どちらの定義かで数字が変わります。前四半期の調整後1.57%からは改善しています。
- 楽天モバイルは黒字化したのですか?
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楽天モバイル単体ではNon-GAAP営業損失323億円が残っており、完全な黒字化には至っていません。固定資産税を除くEBITDAは59億円のプラスで、営業損失も前年同期から67億円改善しています。なお楽天グループ全体では、2020年第2四半期以来となる税後利益の黒字化を達成したと公表されています。
- 山手線は全駅で楽天モバイルの5Gが使えますか?
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2026年6月時点では全30駅のうち25駅で5Gネットワークの構築が完了しています。残る5駅は2026年内に構築予定です。構築完了は設備の対応を示すもので、実際の通信状況は端末・場所・時間帯・混雑によって変わります。
- 楽天モバイルの衛星通信はいつ始まりますか?
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AST SpaceMobile社の衛星を利用する商用サービスは、2026年第4四半期からの提供開始を目指すと公表されています。開始日が確定したものではありません。これとは別に、総務省のJ-LEO事業の間接補助事業者としても採択されており、そちらの詳細は決定次第の開示予定です。
まとめ|1,075万回線の次はネットワーク強化の進捗に注目
- 2026年6月末の全契約回線数は1,075万回線(前年同期比+178万回線)。BCP等回線を含むMNO・MVNE・MVNOの合計値
- 調整後MNO解約率は1.38%、単純MNO解約率は1.49%で、いずれも前四半期から改善
- MNO ARPUは2,921円(+60円)、正味ARPUは2,516円(+42円)。20GB超を使う人の構成比が前年比3.6ポイント拡大
- 楽天モバイルの売上収益は1,013億円(+11.9%)、Non-GAAP営業損失は323億円(67億円改善)
- 2026年度の設備投資計画2,000億円は維持。2026年内の電波発射目標に対し前工程は約9割完了
- 山手線は30駅中25駅で5G構築完了、東京メトロは10駅にMIMO導入。衛星通信の商用サービスは2026年Q4開始を目指す
次に確認すべきは、下半期の基地局建設と都市部・地下鉄・衛星通信の進捗です。数字を確認したうえで乗り換えを検討する方は、申し込み前に従業員紹介の案内ページで条件と手順も確認しておくと、申込画面で戻る手間がなくなります。決算の一次情報は楽天グループの2026年度第2四半期決算ハイライトと決算説明会プレゼンテーション資料で確認できます。










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