
※2026年8月時点の情報です。本記事の数値は楽天グループの決算発表内容にもとづいており、次回以降の決算で更新される場合があります。
結論|楽天モバイル黒字化の実態はEBITDA黒字・営業利益はまだ赤字
結論からいうと、楽天モバイル黒字化は「EBITDA」という指標では実現していますが、「Non-GAAP営業利益」という指標ではまだ赤字が残っています。2026年度第2四半期の楽天モバイル単体では、EBITDAが59億円の黒字である一方、Non-GAAP営業損失は323億円です。ここでいうEBITDAとは、Non-GAAP営業利益に減価償却費などを加算して算出する指標で、楽天グループ自身が決算資料の中で定義しています。同じ会社の同じ期間の数字でも、どの指標を見るかで「黒字」「赤字」の答えが変わります。
黒字・赤字を3つの数字で早見表
まず、2026年度第2四半期(2026年4月〜6月)の楽天モバイル単体および楽天グループ全体の数字を、指標ごとに整理します。
| 指標 | 金額 | 状態 |
|---|---|---|
| 楽天モバイル単体のEBITDA | 59億円 | 黒字 |
| 楽天モバイル単体のNon-GAAP営業損失 | 323億円 | 赤字 |
| 楽天グループ全体の四半期損益(税引後) | 272億円 | 黒字 |
「楽天モバイル黒字化」という報道が間違いとは限らない理由
楽天グループ自身が決算資料の中で「楽天モバイル通期EBITDAで初の黒字化」と明記しているため、「黒字化」という表現自体は公式の発表にもとづいています。ニュースの多くはこのEBITDAという指標を指して黒字化と伝えており、誤りとは言い切れません。ただし、同じ決算資料の中にはNon-GAAP営業損失という別の指標も並記されており、どちらの数字を見ているかを確認しないと、実態を正確につかめません。
楽天モバイル黒字化は2025年度からどう進んだ?
楽天モバイル黒字化がどのように進んできたのか、2025年度から2026年度第2四半期までの流れを整理します。
2025年度はEBITDA129億円で初の通期黒字
楽天グループの決算ハイライトによると、2025年度の楽天モバイル単体のEBITDAは129億円で、前年度から667億円改善しました。これは携帯キャリア事業への参入以来、初めての通期EBITDA黒字化です。一方、同じ2025年度のNon-GAAP営業損失は1,660億円でした。前年度からは503億円改善しているものの、金額としてはまだ大きな赤字が残っています。売上収益は3,747億円で、前年度比32.0%の増収でした。
楽天グループは2025年度決算で「楽天モバイル通期EBITDAで初の黒字化」を成果として明示しています。一方、同じ資料ではNon-GAAP営業損失1,660億円も公表されています。「黒字化した」と一言でまとめるより、どちらの黒字化なのかを押さえておくと、決算のニュースを読み違えにくくなります。
2026年Q1もEBITDA10億円で黒字を維持
2026年度第1四半期決算(1月〜3月)では、楽天モバイル単体のEBITDAが10億円の黒字でした。前年同期比では75億円の改善です。毎年第1四半期に計上される固定資産税費用を含めても黒字化したのは、この期が初めてです。
2026年Q2は59億円、営業損失は323億円
2026年度第2四半期決算(4月〜6月)は、EBITDAが59億円で、前年同期比6.4%の増加でした。同じ期間のNon-GAAP営業損失は323億円で、前年同期比67億円の改善です。赤字の額そのものは大きいものの、縮小傾向は続いています。2025年度から2026年度第2四半期までの推移をまとめると、次のとおりです。
| 期間 | EBITDA | Non-GAAP営業損失 |
|---|---|---|
| 2025年度(通期) | 129億円 | 1,660億円 |
| 2026年度Q1(1〜3月) | 10億円 | 364億円 |
| 2026年度Q2(4〜6月) | 59億円 | 323億円 |
EBITDAと営業利益は何が違う?
「EBITDAは黒字なのに、なぜ営業損失が残るのか」という疑問には、2つの指標の計算方法の違いが関係しています。
EBITDAでは減価償却費などを足し戻す
楽天グループの公式資料では、EBITDAは「Non-GAAP営業利益に減価償却費などを加算して算出する」指標と定義されています。つまり、営業利益がマイナスであっても、減価償却費を足し戻した結果としてEBITDAはプラスになることがあります。
基地局を持つ通信事業では減価償却費が発生する
楽天モバイルは基地局やネットワーク設備への投資を行っており、資産計上された設備等はその後、耐用期間にわたって減価償却されます。2026年度第2四半期のネットワーク関連設備投資額は393億円でした。
だから「EBITDA黒字=営業利益黒字」ではない
減価償却費の負担が大きい事業ほど、EBITDAと営業利益の差は開きやすくなります。そのため、EBITDAとNon-GAAP営業利益は同じ数字にはなりません。EBITDA黒字のニュースだけで「営業利益も黒字になった」と判断するのは早計です。
楽天グループ全体の黒字化とも分けて考える
楽天モバイル黒字化とあわせて紛らわしいのが、「楽天グループ全体」の黒字化です。
2026年Q2の四半期損益は272億円
決算説明会資料によると、2026年度第2四半期の楽天グループ全体の税引後四半期損益は272億円で、2020年度第2四半期以来、6年ぶりの黒字化でした。
親会社所有者帰属利益は77億円
このうち親会社の所有者に帰属する四半期利益は77億円で、前年同期比587億円の改善です。楽天グループはこれを「6年ぶりの黒字化」と説明しています。
「楽天」「モバイルセグメント」「楽天モバイル単体」を混同しない
決算資料には、①楽天グループ全体、②モバイルセグメント(楽天モバイルに楽天シンフォニーなどを含む区分)、③楽天モバイル単体、という3つの数字が並びます。2026年度第2四半期でいえば、モバイルセグメントのNon-GAAP営業損失は331億円、楽天モバイル単体は323億円というように近い数字が複数登場するため、記事やグラフを見るときはどの区分の数字かを確認する必要があります。決算全体のより詳しい内訳は、2026年度第2四半期決算まとめ記事もあわせてご覧ください。
楽天モバイルの営業黒字化はいつ?
楽天モバイル黒字化の次の焦点は、Non-GAAP営業利益ベースでの黒字化がいつ実現するかです。
Q2公式資料で確認できるのは「営業損失の改善」
2026年度第2四半期の決算資料を確認したかぎりでは、楽天モバイル単体の営業黒字化の具体的な時期は明記されていません。公式資料で言及されているのは、Non-GAAP営業損失が前年同期比で縮小しているという改善傾向です。時期については、今後の決算発表を確認したうえで判断する必要があります。
2026年度も設備投資計画2,000億円を維持
楽天モバイルは2026年度の設備投資計画として2,000億円を掲げており、2026年度第2四半期の決算でもこの計画に変更はないとしています。黒字化を急ぐために基地局整備などの投資を止めているわけではなく、通信品質の向上に向けた工事は引き続き進められています。当サイトのエリア改善・基地局整備に関する記事もあわせてご覧ください。
次回以降の決算で確認する3指標
楽天モバイル黒字化の推移を追ううえでは、楽天グループの決算資料一覧から、次回以降の決算発表で「Non-GAAP営業損益」「EBITDA」「売上収益」の3つの数字を確認するとよいでしょう。特にNon-GAAP営業損益がプラスに転じるかどうかが、次の大きな節目になります。



楽天モバイルを契約する前に確認しておきたいこと
ここまで見てきたように、楽天モバイル黒字化はEBITDAという指標での話であり、Non-GAAP営業利益ではまだ赤字が残っています。契約を検討する際は、決算数字だけでなく、実際のキャンペーン条件もあわせて確認しておくと安心です。従業員紹介の案内ページでは、申込区分ごとの特典やあわせて確認しておきたい注意点を紹介しています。
よくある質問
- 楽天モバイルは黒字化しましたか?
-
EBITDAという指標では黒字化していますが、Non-GAAP営業利益という指標ではまだ赤字です。2026年度第2四半期の楽天モバイル単体は、EBITDAが59億円の黒字、Non-GAAP営業損失が323億円で、どちらの指標を見ているかによって答えが変わります。
- 楽天モバイルの現在の赤字はいくらですか?
-
2026年度第2四半期(2026年4月〜6月)の楽天モバイル単体のNon-GAAP営業損失は323億円です。前年同期比では67億円の改善となっています。
- EBITDA黒字とはどういう意味ですか?
-
EBITDAとは、Non-GAAP営業利益に減価償却費などを加算して算出する指標です。基地局などの設備投資にともなう減価償却費を足し戻すため、営業利益が赤字でもEBITDAはプラスになることがあります。
- 楽天モバイルはいつ営業黒字になりますか?
-
2026年度第2四半期時点で確認できる公式資料には、具体的な時期は明示されていません。公式に示されているのは、Non-GAAP営業損失が前年同期比で縮小しているという改善傾向です。
- 楽天グループ全体は黒字ですか?
-
2026年度第2四半期は、楽天グループ全体の税引後四半期損益が272億円、親会社所有者帰属利益が77億円で、いずれも黒字です。ただし、これは楽天モバイル単体の黒字とは別の数字です。
まとめ
- 楽天モバイル単体は2026年度第2四半期にEBITDA59億円の黒字、Non-GAAP営業損失は323億円
- 2025年度に携帯キャリア事業参入以来、初の通期EBITDA黒字化を達成
- EBITDAは減価償却費を足し戻した指標のため、営業利益の黒字化とはタイミングが一致するとは限らない
- 楽天グループ全体は2026年度第2四半期に四半期損益272億円、親会社帰属利益77億円で6年ぶりの黒字化
- 楽天モバイル単体の営業黒字化の具体的な時期は、2026年度第2四半期時点の公式資料では明示されていない
決算の数字を確認したうえで契約を検討する方は、従業員紹介の案内ページもあわせてご覧ください。










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